3日連続で、この街に来ている。
大学入学早々、勉強以外の事で気持ちはいっぱいになっている。
仕事が終わって駅に向かう群れ、また仕事が終わって駅から家路に向かう群れ。
その双方が混じり合い、1日の中で今が1番街が賑わっている。
1日目、始めてこの街に来た。
定期券というものを手に入れ、通学路線内ではどこでも乗り降り出来るようになった。
これで、いつでもナンパに行くことが出来る。
そう、思っていた。
しかし、どうしてもナンパが出来ない。
ナンパをしにきているのに、ナンパが出来ない。
人の目が気になる...
無視されたらどうしよう....
声をかけるのが、とても怖い。
結局、その日は1人も声をかけずに家に帰った。
何をしているんだ俺は....
情けない俺に嫌気がさす...
道端で道を聞くことは出来るのだが、駅までに突っ立って、
ナンパという行為をする事になると、まったく声が出ない。
翌日も、大学帰りに街に出た。
同じ駅だ。
今日こそは声をかける。
ナンパをする。
俺はナンパ師としてデビューするんだ。
改札前に陣取って、いざ声をかけようとするも、まったく声かけれない。
周りの人に、ナンパしていると思われたくなくって、待ち合わせのフリをする。
電話に出るフリ。
くだらない。
なんでこんなことをしているんだ。
意を決して、女の子に狙いを定め、後を付けるも、
どこまで着いていくんだよ俺。
女の子は自転車置き場まで行ってしまった。
自転車に乗って目の前を通りすぎる女の子を、さも自分もここに自転車置いてありますよ感を出して見送る。
なんをやっているんだ....
そんなこんなで、今日も声をかけれず。
失意の帰宅。
また翌日。
3日連続でここに来た。
もはや、大学には勉強しに行っているのではない。
その放課後が俺のキャンパスライフだ。
今日こそ、声をかける。
出なければ、何をしにきたのかまったくわからない。
3度目の正直。今日必ず声をかけるんだ。
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帰りの電車内の鏡に映った俺の顔は、
絶望を絵に書いていた。
今日も、、声をかけれなかった...
ヘタレ、、、雑魚、、、カス野郎、、、ビビり、、
自分を形容するあらゆる言葉が脳裏をかすんでいく。
俺は、果たしてナンパ師になれるのだろうか。
大学入学早々、俺は希望を打ちひしがていた。
そんな感じで、デビュー当時はまったく街で声かけることが出来ませんでした。
そんなヘタレMAXだった俺が、1つのきっかけになったのが、店内ナンパです。
ここから俺はナンパ師として成長していきます。
この話はまた今度しましょうか。
今では店内、街中、どこでも構わず声かけまくれるようになりました。
店内ナンパをここからやり込んだおかげで、かなりナンパの幅は広がったと感じます。
最初はみんな雑魚です。
俺ほど地蔵に苦しんだナンパ師も居ません。
人って、変われますよ。